
キャリアコンサルタントの資格取得を目指す過程で、多くの人が抱く理想と、実際の求人市場の間には、埋めがたいギャップが存在します。
美容サロンの閉業を経て、人生の転換点に立った私も、当初は「国家資格さえあれば、50代からの道は自然と拓けるはずだ」という楽観的な見通しを持っていました。
私がキャリアコンサルタントを目指すことになった経緯や、サロン閉業からこの資格にたどり着くまでのストーリーは、こちらの記事で詳しくお話ししています。
▼ 49歳でキャリアコンサルタントを目指す理由

しかし、実際に求人市場をリサーチし、現場の情報を深く掘り下げれば掘り下げるほど、その認識は修正を余儀なくされました。
この記事では、未経験からキャリア支援の領域へ踏み出そうとする私が、徹底的な市場調査の中で突き当たった「5つの現実」と、それらをどう解釈し、自身のキャリアとして再構築しているのか、その生存戦略を詳しく記述します。
この記事でわかること
- キャリアコンサルタント資格だけでは就職が難しいと言われる理由
- 50代・未経験からキャリアコンサルタントを目指す際に知っておきたい求人市場の現実
- 実務経験がない人が経験を積むための考え方と戦略
- 美容業界で培った経験をキャリアコンサルタントの仕事に活かす方法
- セカンドキャリアを成功させるために、資格取得前から準備しておきたいこと
現実① 資格を取っただけでは仕事は見つからない
キャリアコンサルタントは、働く人や仕事を探している人の職業選択や能力開発、キャリア形成を支援する専門職です。2016年4月には職業能力開発促進法の改正により国家資格となり、企業の人事部門やハローワーク、大学のキャリアセンター、就職支援機関など、さまざまな分野で活躍が期待されています。
※キャリアコンサルタント制度については、厚生労働省「キャリアコンサルタント制度」をご覧ください。
実際、厚生労働省も、キャリアコンサルタントを「労働者の主体的なキャリア形成を支援する専門家」と位置付けており、社会の変化とともにその役割はますます重要になっています。
また、厚生労働省では、人生100年時代を見据えたキャリア形成支援の重要性を示しており、働く人が主体的にキャリアを考え、学び直し(リスキリング)や職業能力開発を進めることを推進しています。
キャリアコンサルタントは、そのような社会的な背景の中で、一人ひとりのキャリア形成を支援する専門職として期待されています。
私自身も資格取得を目指す中で、「資格を取ること」が目的ではなく、「相談者の人生に寄り添える専門家になること」が本来の役割なのだと感じるようになりました。
その一方で、実際の求人市場を調べてみると、「キャリアコンサルタント資格保有者」であることに加えて、「実務経験」「キャリア相談の経験」「企業での人事経験」などを応募条件としている求人が少なくありません。
私自身も当初は、「国家資格なのだから、資格を取得すれば仕事への道は自然と開けるだろう」と考えていました。しかし、求人情報を一つひとつ確認していくうちに、その考えは大きく変わりました。
資格を取得することはゴールではなく、ようやくスタートラインに立つこと。その現実を知ったからこそ、私は資格取得だけではなく、「どのように経験を積み、市場価値を高めていくか」という視点でキャリアを考えるようになったのです。
現実② 実務経験が評価される世界だった
資格取得を決意した頃の私は、「国家資格なのだから、資格さえ取得すれば未経験でも働ける場所はあるだろう」と考えていました。私自身も資格取得を目指す中で、実際の求人市場がどうなっているのかを知るため、2026年7月時点で複数の求人サイトや転職サイト(Indeed、求人ボックス、各転職エージェントの公開求人など)を確認しました。
その結果、キャリアコンサルタント資格を応募条件としている求人の多くで、「実務経験者歓迎」または「キャリア相談・就職支援・人事経験がある方歓迎」といった条件が記載されていました。
資格は大きな強みになります。しかし、それだけでは十分ではなく、「実際に相談支援を行った経験」や「現場で培った実績」が評価される世界なのだと、求人情報を調べる中で実感したのです。
「国家資格保有者=プロフェッショナル」という図式は、残念ながら現在の求人市場では通用しません。多くの求人票には、実務経験や人事面談の実績が要件として明記されています。
- 直面した壁: 私自身、長年のサロン経営でお客様と対話してきた経験を、キャリア支援の職歴として強く打ち出そうとしていました。しかし、ある転職エージェントから「個別の対人サービスにおける『おもてなし』と、組織が求める『再現性のある支援能力』は別物である」と指摘されました。これはキャリアの転換を志す者にとって、非常に耳の痛い現実です。
- 私自身の解釈: 資格はあくまで出発点に立つための証明に過ぎません。共感という感情的なアプローチだけでは、現代の複雑な雇用環境において相談者の課題を解決することは不可能です。労働経済の動向、心理学的な支援理論、そして社会的な労働政策。これらを客観的根拠として言語化できる能力こそが、プロとアマを分かつ境界線であると理解しました。今、私は現場の知見を、型のある理論へと変換する作業に多くの時間を割いています。
実績がない未経験者の立ち位置
実績がない状態では、選択肢は極めて限定的です。ハローワークや自治体の就業支援窓口などが主たる受け皿となりますが、ここには待遇面での大きな制約が伴うことも事実です。
- 戦略的判断: 私はこの状況を、労働条件の妥協点としてではなく、「市場価値を高めるための研修期間」と定義しました。待遇の良し悪しに一喜一憂するよりも、泥臭い現場で多様な相談事例に触れ、自分の知見を検証することにリソースを集中させる判断を下しました。高収入をすぐに追うのではなく、この「低待遇な現場」でしか得られない実務の「数」こそが、数年後の専門性を担保する資産になると信じています。
なお、求人内容や応募条件は企業や支援機関によって異なります。未経験者を歓迎している求人もあれば、実務経験を必須としている求人もあります。
この記事は、私自身が資格取得を目指す過程で行った求人調査や情報収集、そして実際に感じたことをもとにまとめています。最新の募集条件については、各求人情報をご確認ください。
現実③ 最初から高収入は期待しにくい
キャリアコンサルタントという職種単体での高収入を期待することは、今の市場環境において決して現実的とは言えません。
- 多角化という生存戦略: 私はキャリアコンサルタント一本で生活しようとは考えていません。ライター・ブログ・美容業界で培った経験。これらを組み合わせながら、自分らしい働き方を作っていきたいと思っています。一つの仕事に依存しない働き方は、40代・50代のセカンドキャリアだからこそ必要だと感じています
キャリアコンサルタントを目指すうえでは、資格取得にかかる費用も事前に把握しておくことが大切です。私が実際に調べた受講料や受験料、登録料などは、こちらの記事にまとめています。
▼ 49歳主婦がキャリアコンサルタント資格取得にかかる費用を全部調べてみた

また、教育訓練給付金を利用すれば、受講費用の一部が支給される場合があります。制度の内容や実際にいくら戻るのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▼ 教育訓練給付金を使ったら実際いくらになる?49歳主婦が調べてみた

現実④ 美容業界の経験は伝え方で武器になる
実績がないと嘆く前に、過去の職歴を異なる文脈で再構築する作業が必要です。
- 視点の転換: 私は美容業界で、「顧客の抱える願望と現状のギャップ」を対話から引き出すことに長年注力してきました。これはそのまま、キャリア支援における「自己理解の促進」や「課題解決の伴走」に応用可能です。
- 美容業界の方へ: あなたも、これまでの仕事で「どのような悩みに対して、どう向き合ってきたか」を一度棚卸ししてみてください。そのプロセスの中に、若手にはない「あなたの独自の強み」が必ず隠れています。美容業での経験が、キャリアコンサルティングという文脈でどう価値を発揮できるか。この「文脈の変換」ができるかどうかが、採用側の評価を大きく左右します。
現実⑤ 学び続ける覚悟が必要
労働市場の流動性は高く、知識の陳腐化は急速に進みます。
- 持続的な学習の必要性: 資格取得は通過点に過ぎず、労働トレンドや支援技法のアップデートは必須条件です。この環境を「過酷」と捉えるか、「知的好奇心を満たし続けられる好条件」と捉えるか。私は後者を選択し、常に新しい理論や市場動向を日々の学習タスクに取り入れています。時代とともに変わる「働くことの意味」に並走し続けることが、この仕事の真の価値であると考えています。
よくある質問
Q キャリアコンサルタントは資格だけで就職できますか?
資格だけで採用されるケースは多くありません。実務経験を求める求人も多いため、資格取得後は経験を積める環境を探すことも重要です。
Q 50代未経験でも目指せますか?
目指すことは十分可能です。ただし最初から好条件の求人だけを探すのではなく、経験を積むことを優先したほうが長期的には有利になると私は考えています。
Q 美容業界の経験は役立ちますか?
お客様に寄り添い、話を聴き、課題を整理してきた経験はキャリア支援にも活かせます。ただし、それを採用担当者に伝わる言葉へ置き換えることが大切です。
まとめ:冷徹な現実を、戦略的思考の糧にする
キャリアコンサルタントの道は、決して平坦ではありません。しかし、その現実を正しく認識することは、決して夢の放棄と同義ではありません。現状を直視し、自分の資産をどう活かすかを冷静に設計すれば、道は必ず開けます。
次のアクションへ向けて
もしあなたが現在、セカンドキャリアの転換点にいるのであれば、以下の3点を一度検証してみてください。
- 市場の要件を直視する: 自分の理想と、現在の求人市場の「温度差」を埋めるために、今何が不足しているのかを書き出す。
- 独自の資産を特定する: 過去の職歴を、今のキャリア支援の文脈でどう言い換えられるか(言語化する)。
- 持続可能な学習計画を立てる: 一時的な努力ではなく、数年単位で専門性を積み上げる計画があるか。
私の試行錯誤は、これからも継続していきます。感情に流されず、自身のキャリアを客観的に設計し、一歩ずつ進む。そのプロセスの断片が、迷いの中にいる誰かの検討材料になれば幸いです。私と一緒に、これからの働き方を実験してみませんか?
キャリアコンサルタントは、働く人や仕事を探している人の職業選択や能力開発、キャリア形成を支援する専門職です。2016年4月には職業能力開発促進法の改正により国家資格となり、企業の人事部門やハローワーク、大学のキャリアセンター、就職支援機関など、さまざまな分野で活躍が期待されています。
※キャリアコンサルタント制度については、厚生労働省「キャリアコンサルタント制度」をご覧ください。
実際、厚生労働省も、キャリアコンサルタントを「労働者の主体的なキャリア形成を支援する専門家」と位置付けており、社会の変化とともにその役割はますます重要になっています。
その一方で、実際の求人市場を調べてみると、「キャリアコンサルタント資格保有者」であることに加えて、「実務経験」「キャリア相談の経験」「企業での人事経験」などを応募条件としている求人が少なくありません。
私自身も当初は、「国家資格なのだから、資格を取得すれば仕事への道は自然と開けるだろう」と考えていました。しかし、求人情報を一つひとつ確認していくうちに、その考えは大きく変わりました。
資格を取得することはゴールではなく、ようやくスタートラインに立つこと。その現実を知ったからこそ、私は資格取得だけではなく、「どのように経験を積み、市場価値を高めていくか」という視点でキャリアを考えるようになったのです。
キャリア形成支援やリスキリングに関する最新情報は、厚生労働省や独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)などでも公開されています。制度や支援内容は変更される場合があるため、最新情報は公的機関の案内もあわせて確認することをおすすめします。
この記事でご紹介した内容は、2026年7月時点で私自身が求人情報や公的資料を調査し、資格取得を目指す過程で感じたことをまとめたものです。
求人市場や制度は今後変化する可能性がありますが、「資格を取ること」と「経験を積むこと」の両方が大切だという考え方は、これから挑戦する方にとっても参考になるのではないかと思います。

キャリアアップのために資格取得をお考えの方は、以下の記事もご参照ください。





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